1年間で2~3回しかロードバイクに乗らない男、T氏。
そんな彼ですが10月に参加したHINOHARAステージでドラマ的(ギリギリ)な完走ができた事が余程嬉しかったのか、それから週末にちょいちょい荒川を走るようになり「yakiさん、次はいつ走りに行こうか?」と冬も走る気マンマンでモチベーションに溢れているようです。
さらにHINOHARAステージを完走した事に自信を持った彼は秋に行った那須と浄土平では
「yakiさんヤバい。どうしよう。俺、登れる人になったかも(真顔)」
などという、出るとこ出たら炎上するのでは?と思われる発言も目立つようになってきました。
そんなある時、T氏に「T氏が今まで登ってきた半原越とか都民の森なんかより全然キツイ林道はたくさんあるんやで」「例えば風張林道とか」という話をしているとT氏が
T氏「よし!風張林道行ってみるか!(自信満々)」
と、まさかの一言。
完全に調子に乗っておられます。
自信がついて峠を好きになるのはとても良い事ですがちょっと甘やかしすぎた彼に一度現実を知ってもらうにはいい頃合いと言えます。
まぁ私も「よし!なんか登れるようになってきた」⇒「クソ坂」⇒「ごめんなさい」という繰り返しでここまで来ました。
自らキツイ峠へ行きたがるなんて彼が登りを好きになりかけている証拠。
ここは彼の希望通り連れて行ってあげる事にしました。
ただこの時期の風張林道は標高が高い事もあり朝夕の気温は氷点下。
天気予報を確認すると丁度寒気も来ており雨は降らずとも霜で路面が凍結している可能性もあるので大人の判断で春までお預けに。
代わりのクソ坂を考えて最初に出てきたのは明神三国峠。
ただ流石にいきなり明神三国をT氏に登らすのはいくらゲスそばパンとして名高い私でも少し気がひけるところ。
さらに前回コーラさんとなかせさんとご一緒した時に日陰は凍結の痕跡があったのでここも却下。
で、消去法で残ったのが冬でも比較的走りに行ってる人の多い「足柄峠」です。
魔境クラスのクソ坂ではないにしろ静岡側からの登り返しは中々のクソ坂、神奈川側も頂上に行くにつれて斜度が上がってきて後半は終始10%超えというのは初心者にはかなりキツイはずです。
という訳で目的地を足柄峠にしてT氏に初めてのクソ坂を味わってもらう事になりました(*´ω`*)
ルートは前回と同じ大雄山の駅前から足柄峠を登り、静岡側へダウンヒルしてまた登り返して戻ってくる43km、1300mUPのピストンルート。
「自称登れる人」とのたまうT氏には丁度良いルートと言えるでしょう(マジキチスマイル♡)
大雄山駅からスタート
秦野駅でT氏を拾って大雄山駅近くのパーキングへ到着。
早速準備をしますが実はT氏は冬装備を持っていない上、家庭内稟議に失敗。
とりあえず私の去年使っていたマビックのジャケットとタイツの上に履くことを条件にパールイズミのブライトタイツを渡します。
本日の気温は基本的に5度以下、下りで足の指が死んでしまわないように今日はシューズカバー持参です!
raphaのディープウインターシューズカバーですが、かなり暖かいです。
厚手ではない通常の靴下を履いていたのですが強度を上げたら蒸れそうだなぁ。というのが率直な感想です。
そしてT氏もシューズカバーは購入済み。
分厚い靴下みたいなタイプですがこれでも全然寒くないようです。
欠点は落ち葉やゴミがめっちゃくっつく事と初回で穴が開いて消耗品すぎる!との事でしたw
あとシューズカバー履くのってめっちゃ大変なんですね(›´ω`‹ )
皆さんが冬に靴を脱ぎたがらないのに納得です。
2人とも10分くらい手こずってしまいました。。。
足柄峠神奈川側
大雄山の駅前を曲がるとすぐに登りが始まります。
ただ最初は住宅街の中をひたすら登って気が付くと山の中になっているので正確にどこから足柄峠かよくわかっておらず、この日のT氏に「これ登ってるけど峠はまだ始まってないから気を付けて!」と忠告をしていました。
しかし後でSTRAVAをよく見てみると「足柄峠」としてのセグメントは駅を出てすぐ始まっていたようで、あの住宅街の登りも全部足柄峠だったようです。
「うわ!皆あそこ全部をTTしているのか!」と驚きましたが具体的に距離を見てみると10.8kmとヤビツより短い事に更に衝撃を受けます。
ヤビツって長いんですね…。
ヤビツの意外な長さに驚きながら前を走るT氏の後姿を見ているとなんだか見覚えのあるマークが…。
yaki「Tさん、それツールドフランスのなんかなの?」
T氏「???」
yaki「いや、背中に「ツール・ド・フランス」って書いてあるんだけど。」
T氏「え?そうなの?Amazonで2000円くらいだったぞw」
yaki「ツール・ド・フランスを安売りしないでくださいwww」
ちなみにこのウインドブレーカー安い割にしっかり防風してくれるので空気抵抗はクソですが防風で言えばraphaと遜色ありません(暴言)
デメリットは10月に出たHINOHARAステージのスタッフウェアと激似だった事。
下山時に役場で私を待っている時にガチでスタッフと間違えられて声を掛けられたらしいです。
そんなツール・ド・フランス(中国製)を背負ってる男、T氏を追いかけてたんたんと登っていきます。
途中、登りでウインドブレーカーは暑かったので脱いで身軽になります。
ウインドブレーカーはこうやって適度に調整できるので寒い時と暑い時の差が激しい時には必須アイテムですね(*´ω`*)
しばらく登っていると今までの緩やかな斜度から一変、明らかに斜度が上がってきて10%を下回らなくなってきます。
それと比例してT氏は失速。
「ひぃッ!!!」「あがぁッ!!!!」等という言葉にならない悲痛な叫びが森にこだまします。
こんなT氏を見ていると「去年は私がこんな感じだったんだなぁ」と思うと同時に息絶え絶えのT氏の「yakiさんこれ辛くないの!?」という問いに対する返事が「これくらいなら緩く登れば全然平気だねw」とまんま去年のコーラさんと私の会話になっていて自分の成長を実感します。(自分より弱い者を見て成長を実感するスタイル)
yaki「Tさん!そこすごい巻いてるから気を付けて!」
T氏「巻いてるってなに!?」
T氏「!!!!!」
T氏「うひょおおおwwwwww」
T氏「危ない危ない危ないwwwwww」
T氏「(›´ω`‹ )」
yaki「ナイスナイスwww」
T氏「おい!言えよ!危なく失速してコケるとこだったよwww」
あぁ…まるで去年の私を見ているようでとても楽しいです(*´ω`*)(ゲス並の発想)
yaki「Tさん!この先に東屋があるからそこで休憩しよう!」
T氏「おうよ!」
と言ってから数百メートルで東屋が出現。
「見晴らし台」というバス停のようですが、たいして景色も綺麗ではないのでいつもはスルーしていますが今回はゆっくり休憩。
ある程度休憩したら寒くなるので出発します。
ここからは本当にあっという間、休憩する必要はなかったかもしれないくらいすぐに頂上になります。
そして去年も見つけたあのパネルで再び記念撮影。
T氏「どう?」
yaki「どうも何もだいぶヤベェよ。ほら。」
T氏「これはひどい」
yaki「逃げた先、ダメ元でここに隠れた頭の悪い下着泥棒、って感じだな」
記念撮影を済ませたら絶景の富士山が見える足柄城跡へ。
階段を上がると同時にT氏から「うおおおおお!」という感嘆の声が聞こえます。
富士山に雲がかかってしまって残念ですがいつ見ても美しい景色です。
この景色があるからこそ登ってくるかいがあるってものです。
一通り楽しんだら静岡側にダウンヒル。
実はこの足柄峠、神奈川側より静岡側の方が景色も良くて気持ちいいです。
絶景の中ダウンヒルなのですが、今日一でめちゃくちゃ寒い!
どうやら頂上で休憩しすぎてしまったようで体温が下がった状態でダウンヒルをした結果凍えてしまったようです。
前回0度の相模原を走った時に平気だったのでクラシックウインタージャケットにインナー一枚でウインドブレーカーも置いてきたのですがこれが大失敗。あの時は感じませんでしたが意外に風が入ってきますし寒いです…。
本当に強度が低い時はウインドブレーカーは必須ですね…、手の指と身体が本当に寒かったです(›´ω`‹ )
ちなみにシューズカバーを付けている足元は全く寒さを感じなかったのでraphaのディープウインターオーバーシューズはとても良いものだったようです。
とりあえず下り切った場所にあるコンビニへ避難してホットコーヒーとお菓子を買って日向で温まります。
T氏は身体や足は全然寒くなかったようですが指先が千切れるんじゃないかってくらい寒かったようです。
なんか登りで掻いた汗がそのまま冷えてさらに苦痛だったとか。
T氏「この手袋全然仕事しねぇよ(›´ω`‹ )」
yaki「そういえば、冬物のグローブ買ったんだったね!何買ったの?」
スッ…
yaki「これは…」
(´-`).。oO(えふ…つばめ…?)
まず目に入るのはこの「エフツバメ」という名前。
なんだこれは
T氏は去年の夏にもフェラーリのサイクルグローブという謎のアイテムを購入していますがまだフェラーリの方が知名度があります。でもフェラーリよりはクッション性もあって生地もしっかりしてそうです。
ただ持ってみた感じ完全にサッカーのキーグ(キーパーグローブ)。
春・秋にはいいかもしれませんが真冬のダウンヒルではそりゃ寒い訳です(たまげたなぁ)
yaki「Tさん!これは薄いよwwwキーグじゃんキーグ!」
T氏「Amazonで1500円くらいだった」
yaki「やっす!!!!お前全部Amazonで揃える気か!」
T氏「しかも見てくれ。スマホ操作もできるんだ(ドヤァ)」
yaki「コスパ高すぎwwwでもエフツバメってなんだ。」
T氏「自転車業界では有名なんだよきっと」
yaki「初めて聞いたわwww」
T氏「安いしフェラーリよりは快適だけど、今日の寒さに全く追いついてなくてコンビニで軍手買って重ねたいです」
yaki「せめて店頭で実物チェックしてから買ってください」
今日のランチ
T氏とエフツバメの話題でひとしきり盛り上がったらお昼へ向かいます。(軍手は買わず)
コンビニから数分で到着した今日のランチ場所はコチラ
「ひとやすみの庭」というカフェレストラン?です。
ジブリっぽい個性的な可愛らしい外観が特徴的なお店です。
完全におっさん二人でくるようなところではありませんが背に腹は代えられません。
店内はとても可愛らしい雰囲気で中央に暖炉?達磨ストーブ?がありポカポカ暖かいです。
ショーケースにはケーキも並んでおり、スイーツメインで来店される方も多いようです。
現に我々がいる間に若いカップルが一組、たぶん大学生位の若い女の子の2人組の2組が来店していましたが皆さんスイーツを頼んでいたようですし、おっさんが来店する気配は皆無でした(*´ω`*)
今回来店したおっさんはランチだったので3種類(種類忘れた)の本日のランチからグリーンカレーを選択。
グリーンカレーはかなり本格的でしたが辛さ控え目でおっさんでも食べやすく、一緒についてきたキッシュは焼き立てで生地がサクサクだったのとキャロット・ラペはレーズンとアーモンドが程よいアクセントになっていてとても美味でした(^ω^)
女性店員さんや店内の女性にピチパンのおっさんはドン引きされていないか興奮心配していましたが、店員さんが「どこに行かれるんですか?♪」と話しかけてくれたので聞いてみると、結構自転車に乗っている人は来るみたいです(*´ω`*)
なので皆さん、ピチパンのおっさんでも安心してコチラのお店に行ってみて下さい♪
外は寒いしお店の雰囲気と店員さんの感じがとても良く、ついつい長いしたくなってしまいますがこれから足柄峠を登り返して戻らねばなりません。
2人のおっさんは暖かい食後の紅茶の御礼を言って復路の登り返しへ旅立つのでした。
足柄峠静岡側
さて、お店を出てすぐ、このトンネルをくぐると登り返しの始まりです。
yaki「Tさん!これ登りきったら駐車場までは本当に下りしかないから後の事考えなくていいよ!」
T氏「よし!うおおおお!!!」
yaki「まさかのアタック!!!!」
T氏「ぬううぅぅぅうん!!!!」
5秒後
!!!????
T氏「終了です!!!!」
yaki「まだ数百メートルじゃんwwwあと8kmくらい残ってるぞwww」
T氏「むwwwりwwww」
無駄なアタックで登板開始直後に脚が亡くなったT氏ですが無情にも目の前に足柄峠のクソ坂はそびえ立ちます。
yaki「ちなみにこの後ゴルフ場の脇辺りで一番キツクなります。」
T氏「ええ!!??これよりキツクなるの!?」
yaki「言ってたじゃんwww」
静岡側の足柄峠の激震部は間違いなくゴルフ場の脇辺り。
何故か今がMAXのクソ坂だと思っていたT氏の希望を無情にもぶち壊します。
ここがキツイのはもちろん斜度もですがこの直登の見た目もあるのでしょう。
見た瞬間T氏からため息と嗚咽が漏れています。
完全にゾンビとなっているT氏ですがそれでも押し歩くことはなくジリジリとゴルフ場の脇を登ってきます。
そしてついにクソ坂区間をクリア。
「クソ坂があと100m長かったら死んでた」
というT氏ですが丁度ギリギリまで出し切れたようで良かったです(マジキチスマイル)
心残りなのは本来なら後ろに富士山がドーーーン!と見えるはずですが雲だらけでいまいち。。。
こればっかりは運次第なので仕方ありませんね(^^;)
ここからはご褒美区間で登りではありますが緩々の登りと絶景区間です。
T氏もこのくらいの斜度ならいいわ~と上機嫌。
時折現れる絶景区間に感嘆の声を上げます。
前回コーラさんとなかせさんと来た時に撮り損ねた絶景アングル。
頑張ってT氏より先行してカメラを構えて見ましたが富士山が完全に雲の中。
本当はここも富士山バックにいい写真が撮れたのに…。次は雲のない時にここを写したいと強く誓います。
ここから無事頂上へ着いたらそのままダウンヒル。
このダウンヒルは本当に下りだけなのでT氏の握力とスピードに気を付けながら一気に下ります。
そして無事に1時半頃にサクッと駐車場へ到着。
43km1300mというただ足柄峠の向こう側へ行ってランチして帰ってくるライド終了です。
まとめ
家から大雄山駅までは朝なら1時間も経たないで着くのでやはり良いです。
あと初心者に足柄峠ピストンが出来るかというとその人次第というのもあるので坂が苦手だったり峠へ行った事のない初心者の人を連れてくるのはやめてあげた方がいいと思いますw
T氏に感想を聞いてみると
「本当に俺が死亡するキッチリギリギリの所をついてきてyakiさんすごい」
と何故か絶賛。
完全にドMクライマーの素質を開花しかけてるT氏ですが満足してくれたようで良かったです。
これで心置きなく風張林道か明神三国へ連れていけます(*´ω`*)
コメント
素敵な写真&良いライドですね(//∇//)
特に冒頭の一枚は珠玉です☆
速く走りたいわけでもなくなり/(^o^)\
長時間&長距離にはハナから興味は持てず/(^o^)\
獲得標高欲も年々下がっていながら/(^o^)\
何で今でも自転車続けてるんだろうと思ってるおいらです(笑)
自分の日常に自転車が自然と在る生活を望んでいるのかもしれませんね♡
登り竜の様な勢いのyakiさんとの接点が無くなるのは哀しいですが( TДT)マイペースでへらへら自転車続けていきたくなる記事でしたwww
コーラさん
私は誰かと楽しく観光メインくらいで走る事が1番好きですね(*´ω`*)
ただ、自分の成長を実感する方法としてトレーニングして速く走ったり挑戦するのも好きですし、レースで応援するのもされるのも燃える性格でもあります。
こんな我儘な私ですが、いろいろなスタイルを楽しませてくれる自転車は、私もできればずっと続けていけたら幸せだなぁと思ってます(*´ω`*)
ブログを見る度にyakiさんの成長ぶりには目を見張るものがありますな。
いっしょに走れる走力もありませんが来年も宜しくお願い致します♪
馬好特殊浴場さん
いつもご拝読いただきありがとうございます(*´ω`*)
1年前とは自分でも成長したなぁと実感できることが何よりも嬉しいです♪
こちらこそ、来年もよろしくお願いします!
PS:関脇さん、来年必ず足柄、明神三国ピストンライドに行きましょう!てか連れてきます(*´ω`*)
足柄ピストンとか考えたくないです/(^o^)\
キツすぎて死んじゃう!!
来年もたまにはご一緒しましょう〜
デュフフおにいさん
いえいえ、騙されませんよw
デュフフおにいさんなら余裕でいけるはずです(*´ω`*)
こちらこそ、来年もよろしくお願いします!
というか、どなたですかwww
ラファに中華並みの性能があるわけないだろ(*´ω`*)
謎のパピヨンさん(チコすけさん)
コメントありがとうございます(*´ω`*)
一体何の話ですかw
中華の性能はわかりませんがラファは性能は悪くないですよ♪
ただやたら高価なのとその価値観もセールでぶち壊されるだけです(*´ω`*)
是非一度全身Raphaで登場してみてください。
きっと皆さんからたくさん写真撮られて大人気になれるはずですw
こんにちは!!脚つかなければ勝ちですね(笑)ちなみにかざりんよりキツイですよね?時期をみて行こうと思ってます!!
明けましておめでとうございます(*´ω`*)
いつもコメントありがとうございます。
T氏も押し歩く事なくクリアできて達成感を感じれたみたいですw
あと、足柄峠はどちらからもかざりんの方が全然キツイので大丈夫です!安心して下さい(^ω^)