私がロードバイクを購入してから約1年。
このブログではこの一年間で私が走った場所や出来事をレポしてきました。
しかし、それはあくまで東京都、神奈川県内での話、一番遠出したのも茶川探検隊(ライド)で行った千葉の筑波山。
実際そこまでの遠出ってしたことありません。
故に今まで一番よかった場所は?と聞かれても、宮ケ瀬とか風張林道とか結構身近な場所が多いです。
しかし、私のような新米ローディではなく、経験豊富なベテランローディに聞くと大体「乗鞍」、「美ヶ原」、「渋峠」という名前が出てきます。
3つに共通する事は「長野」と言う事と「森林限界を突破する爽やかな高原」という事です。
確かに森林限界を越えた場所なんて日常ではまず関わらないですし、高い木が無い分景色も一面見渡せて、空気も綺麗なのでそんな中自転車で走れたら最高に違いないと想像できます。
私は美ヶ原や渋峠には車で行った事があるので当時の情景を思い出すと、確かにロードバイクはたくさん走っていて車の中から外を走るサイクリストを見てこんなとこ自転車で走ったら楽しいだろうなぁと友達と話していたことを思い出します。
それもそのはず、どの場所も「死ぬまでに一度は走りたい」と言わせる程の場所でサイクリストの憧れとしてとても人気のある峠です。
今回は初めてのトランポでの遠征で、そんな憧れの地に行ってみたいと思います。
前日までの準備編
実はここ2週間程、外でまったくロードバイクに乗る時間がなかった私ですが、2週間ぶりに土日が二日ともガラ空き。
そろそろ遠出して日常からは離れた場所を走りたいな、と考えていた私は当たり前のように長野県のグーグルマップを開き、ルートラボを引き始めました。
そしてどうせ行くなら、とそれぞれの要素を比較検討した結果、渋峠は他の2つの峠に比べてルートが楽そうで且つ、日本の国道最高地点というわかりやすい達成感があったという事、アフターも楽しめそうな草津温泉も近いという点で目的地として決定しました。
ただし「楽」と言っても「他の2つと比べたら」という前提の上に成り立っているだけの事。どれも短い距離で1000m以上の獲得標高は当たり前、スタート地点をちょっと変えると100km位の距離なのに獲得標高3000m越えなんて世界に足を踏み入れてしまいます。
さすが長野、スケールが違います。
「渋峠」のエントリールート
さて、行先も決まったので後は晴れを祈るばかりですがボッチで登るのも寂しいのでT氏に声を掛けてみます。
T氏は土曜日は子育てだったり会社の研修だったりで結構ダメなのでダメ元だったのですがまさかのOK。
組んでたルートは自分の限界にチャレンジする為の獲得標高2000m越えだったので慌てて修正します。
ちなみにT氏の実力は私と160km荒川を走ってから一度も自転車に乗ってなく、ヒルクライムに関しては去年の10月に都民の森へ行って死亡した一回のみ。そんな奴が果たして渋峠を登頂できるものなのか?と疑問が浮かびますが、事前情報では「都民の森を登れるならなんとか登頂はできる」という系の事を聞いた事があるような無いような気もしますし、本人やる気なのでどうこう言うのは野暮という事で、渋峠の綺麗な写真を見せて逝ける逝ける♪と取りあえずテンションを上げさせておきます。
まあしかし、このままのルートではだめなのでT氏でも達成できるある程度手頃なルートはないかと探してみます。
私たちは関越道から行くので渋峠へは草津側からのエントリーになります。
ネットなどで調べて行くと大体草津側からエントリーするローディ達の出発地点は大きく分けて3つある事がわかってきました。
※草津温泉から上、赤い矢印の部分が草津側の所謂「渋峠」と言われる個所です。
一つは輪行の人が利用する手で新幹線で軽井沢駅まで行ってそこから北上して渋峠を目指すルート。
これは軽井沢⇒草津⇒渋峠⇒長野駅というルートが多そうです。100km位で獲得標高は2000m程度。走り慣れてる人にとってはキツ過ぎず楽過ぎず丁度いいのかもしれません。
ところが車で行った場合はスタート地点に戻ってこないといけません、軽井沢⇒草津⇒渋峠⇒軽井沢とすると100km位で3000mアップという鬼畜ルートへ大変身。私もですがT氏にとっては間違いなく死亡遊技です。
さらにこのルート、色々な方のブログで見るとどうやら軽井沢から草津までの道が結構険しく、走り慣れた方でもかなり脚がやられてるのです。。。
そんなの聞いたら尚更いけません\(^o^)/
二つ目は新幹線の駅じゃないので車のトランポがメインですがちょっと北上したところに「長野原草津口」という駅があります。
ここなら渋峠往復でも100km未満で2000mちょいの獲得標高です。
う~む・・・。
個人的なチャレンジならいいのですがT氏は微妙です。
てか、いきなり2000mはたぶん楽しくないでしょうし、下りも長くて疲れてると危なそうなのでこれも却下。
そして3つ目は、さらに北上して草津温泉周辺に車を止めてそこから渋峠往復です。
これは車が無ければいけませんが距離は60km以内で獲得標高も1500m前後です。
T氏は都民の森で1000mの獲得標高は経験しているので1500mは次のチャレンジとしては現実的と言えます。
取りあえずはこの辺りをスタート地点にするのが良さそうです。
後は駐車場ですが私が探した限りだと5つあります!
草津温泉周辺の駐車場
私達が選んだのは1番の「道の駅 六合」。理由は空いてそうなのと帰りにそのまま温泉に入れるから。
ちょっと距離は長くなりますが60kmで1500mアップ位なので平気でしょう!そして余力があれば私が一度行ってみたい野反湖もふざけてルートにいれて作ってみました。もし湖にも行った場合は100kmの獲得標高2700mになりますがT氏には黙っておく事にします。
渋峠を下ってきた後のT氏の様子を見て提案してみようと目論み、ルートに入れ込みます。
乗鞍と美ヶ原はどうかわかりませんが、渋峠は偶然にもまるでレベルに合わせて様々なスタート地点を選べるかのように駐車場がありました。
まさに、我々にとっては絶好の峠だったのです。
渋峠、当日編
【悲報】T氏が寝坊
一応、4時~4時半の間に迎えに行くね♪と伝えておりましたが4時半になってもT氏からなんの連絡もありません。
もうすぐ着くよ!というラインも既読になりません。
私も少し遅れて4時45分頃に到着。ラインを確認しますがもちろん何の変化もない。
電話をしてみますが3コール位でアナウンスが流れて切れてしまいます。これはきっと音にすらしてないな・・・。
オワタ\(^o^)/
ピンポンしても良いのですがT氏の家は赤ちゃんがいますし、奥さんを起こしてしまうのは申し訳ないので5時半頃まで待ってみようと車に戻ってコンビニで水や補給食を買い込みます。
すると5時15分頃に「今起きた」と連絡が。
どうやら赤ちゃんが泣いてその泣き声で起きた模様です。
ナイス赤ちゃん!グッジョブ!!!
準備は前日にしていたようで実質1時間遅れ位でスタートできたのでよかったです。
そのまま、首都高から関越道へ抜けて渋川伊香保で降りて下道を進みます。
そして9:30にスタート地点の「道の駅 六合」に到着。
既に出発予定時間を過ぎてしまっているので急いで準備を進めます。
T氏「おおyakiさん!そういえば一つニューアイテムがあるんだ!」
yaki「お?なんだなんだ??」
T氏「なんと、この日の為にカッコいいサイクルグローブを新調した!」
yaki「おお!グローブは何気に腕の疲れに大きく影響するし、ブレーキングでは命とも直結するからな!いいグローブは疲れにくくてとても良いと聞くぞ!どこの買ったの?」
T氏「ふふふ。そうだろう?じゃん!!」
yaki「!!!???」
yaki「・・・これは?」
T氏「なんと、信頼のフェラーリだ」
yaki「お前はサイクルグローブに対してフェラーリのどの辺に信頼を寄せてるんだよwww」
yaki「ちなみにいくらだったん?」
T氏「amazonで1000円」
yaki「やっす!!!!」
グローブの裏を見せてもらうと掌を守るパッドらしきものはなく、申し訳程度の滑り止めのようなものが付いています。
(´-`).。oO(これ、本当にサイクルグローブか?てか、本当にフェラーリか?中国のパチモンじゃねえの?)
と心の中で疑問がふつふつと浮かびますが、買ってしまった物は仕方ありません。本人、気に入ってるようなので心の中に仕舞っておきます。
さて、準備も完了したので早速出発です。
ここからはまず10km位を走って草津温泉を目指すのですがいきなり登りが始まります。
これ、左上にガードレールがあるのおわかりいただけますでしょうか?
一つ、想定外だったのが草津までのこの10kmがかなり疲れました。
一気に標高が上がるのでワイディングしまくり、斜度は5~8%位で激坂という感じではありませんがご褒美区間はほぼ0で永遠と登るのでハッスルするとヤバそうです。
ずっと先が見えるこころ折れる系ではありませんが上を向くとえっ?あんな上に登るの?とワイディングの先が自分の真上に見える系のある意味、精神的にキツイやつです。
ちょっと上を見ると先に行かせたT氏がこんにちわ。
いきなりの想定外のキツイヒルクライムにここで無理するとヤバそうなので30分しかたってませんが休憩場所を探します。
すると道の脇に良い感じの神社があったので木陰で休ませてもらいます。
こんな山の中にヒッソリと佇む神社で随分と荒廃しているようですが、鳥居やところどころ綺麗な部分もあり、お祭り等で人が集まる事があるのかもしれません。
神社での休憩を終えて再びヒルクライムを開始していると、山奥から徐々に文明が表れてきます。
このパチンコ屋なんて結構新しいけどやっていけるのかな・・・。車3台しか止まってないけど・・・。
と余計なお世話な事を考えながらひたすらクランクを回しているとコンビニの看板を発見。
T氏に休憩するか聞くと即答でピットインの指示がでたので休憩に入ります。
ヒルクライムとはいえ10km行く途中に2回は休憩が多いように思えますがT氏はヒルクライム2回目でこの日は草津30℃という猛暑日。
ヒルクライム中も少し重めのギアでゆっくり回してゆっくり進む方法で登っているのでめちゃくちゃ時間がかかっています。
この気温の中、めちゃくちゃ時間がかかっているという事はそれだけダメージは蓄積しますし負荷はかかり続けてると言う事。
トレーニングではないので休憩はたっぷりと組み込んでのんびりと進みます。
いいんです。大事なのは「辿り着く」という事なのです。
yaki「今日の寝坊のお詫びに、是非これを3冊背負って渋峠を登ってほしい」
T氏「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
コンビニをでると、すっかり回りは草津の街中。
しかし街中とはいえ平地にはなりません。
しかしながら温泉街も、もうすぐそこなので元気がでます。
私は軽井沢~草津は毎年友達と来ているので少し土地勘があります。
見覚えのある曲がり角を曲がるとやはりそこは中心街でした。
とりあえず最初に見つけたお店におんせんまんじゅう目当てで来店します。
なんだこれ
ゆもみちゃん焼???
ラムネあん???
しかも冷たいだと・・・?
という訳で、おんせんまんじゅうの事は忘れて思わず衝動買いしました。
店頭に並んでいる物から取ろうとしたのですが、おばちゃんが折角だから冷えたのを・・・と冷凍庫から取り出してくれます。
どうやらこの2次元の娘が「ゆもみちゃん」らしいです。
あんの色は完全にガリガリ君。しかし触感は冷たいあんこ。
なんとも不思議な味で例えようがありませんが、普通のおんせんまんじゅうがうまいです。たぶん。
さて、ゆもみちゃん焼も食べたので出発ですが、T氏が草津温泉に来た事がないというのと折角なので湯畑に行ってみましょう。
湯畑は草津温泉街の中心に位置しているのでどんどん街中へ進みます。
狭い路地をロードバイクを降りて進んでいくと・・・。
来ました湯畑!!!
湯畑はこの木の枠の中に温泉を通して温度を下げている役割と湯の花を取る役割があるそうです。
温泉が流しそうめんのように木枠の中を通って、下の滝つぼのようなところに落ちているのですがそこから各旅館へ温泉が行きわたっているみたいです。
ちゃんと意味があってあのような形になっているのですね(*´-`*)
yaki「ちなみに、この湯畑の横には無料の足湯があります。」
T氏「30℃の猛暑の中、汗だくでヒルクライムして熱中症と戦っている我々にとどめを?」
折角なので入ってみようかなと思ったのですが、嘘です。1mmも思いませんでした。
寒い時期はとても気持ちいいと思いますので、足湯は紅葉シーズンに取っておき先へ進むことにします。
温泉街を出るとすぐに草津国際スキー場の天狗山駐車場が出てきて山の中に突入します。
ここからはいよいよ渋峠ヒルクライム区間と言ってしっくりきます。
周りの木々は深い森というより白樺なんかも増えてきて爽やかな軽井沢という雰囲気へ。
ちなみに、ここでもT氏は休憩していますが、温泉の急勾配をクリートで歩いた事によって無駄に脚を使ってスキー場の駐車場で1回休憩しています。
登板速度は時速6km/h、限界の感じがヒシヒシと伝わってきます。
ただ、こまめな休憩とゆっくり登板が功を奏し、愛娘タイム(嫁に娘の写真等をラインで送ってもらってそれを見て元気を出す)で復活できる疲労具合。
脚も売り切れとかそういう状態ではありません。
疲れてはいますが、ゆっくりと登板を開始。
なんだか爽やかな軽井沢区間から少しずつ高い木が無くなってきているような気がします。
あの絶景区間が近づいてくるのを肌で感じ取り、少し頑張ろうと気力が増します。
周りの景色の移り変わりに見とれていると、T氏の前方が突然開けます。
なんだろうと先を見てみると森林限界ゾーンが見えています。
T氏「おおおおお!!!きたぁぁああああ!!!!」
yaki「これは凄い!速くあそこに行きたい!」
テンションは上がりますが別にスピードがあがる訳でもなく相変わらずゆっくりゆっくり進んでいきます。
しかし、この辺から木々は急に低くなって渋峠感が強くなり、横を見ればハイカーがいたり、こんな遊歩道も。
そして、白根火山口ロープウェイ乗り場に到着!絶景区間の入り口で休憩です。
ここは広い駐車場とレストハウス、ロープウェイ乗り場があり、ヒルクライム苦手な方や本当に初心者の方なんかはここまで車で来てここから登ってもいいかもしれません。
ただ、森の木々の種類が変わって、徐々に低くなってきて、突如現れる森林限界ゾーン等の景色の移り変り等を肌で感じる事はできません。
渋峠の絶景ゾーンを手頃に味わう事もできますが、ヒルクラの醍醐味というか感動の大きさは少しずつ景色が移り変わってきて、最終的に頂上にたどり着き「ここまで自転車で登ってきたぞ」と感じる事にある気もします。その登り始めと頂上の環境や景色に変化があればあるほどその実感と感動は大きくなると言えます。
そう思うと、ヒルクラ苦手な方や初心者でも一度、都民の森等で獲得標高1000m越えを体感してから最低でも草津温泉から登ってくるのが一番感動も大きく楽しめる内容になるかと思います。
時計を見ると12:30を回っていましたので、ここでお昼ご飯としました。
チョイスしたのはモツ煮定食、標高が高くてうまく炊けないのでしょうか?米はパサパサで微妙でしたがモツ煮はおいしかったです(#^.^#)
あと、なにより良かったのはここの「水」。
飲み水は当たり前ですが、私が一番テンションが上がったのがトイレの手洗いwww
飲み水と同じく、ここで引いてきた水が水道から出るのでめちゃくちゃ冷たくて気持ちいいのです。
強い日射しとヒルクラで火照った体には最高に心地よく、おもわず顔を洗いました。
しっかりと休憩したら脚の疲れはほぼ取れました。
これなら大丈夫そうだと我々はロープウェイ乗り場を後にします。
ここから先は一気に完全に森林限界ゾーン。
360度、The渋峠という景色で進めば進むほど、どんどん景色が綺麗になっていきます。
激坂とはいかずとも、中々の斜度の場所もありますが、景色を見て写真に収めたりちょこちょこ立ち止まっているのでまったり進めます。
まぁまぁ険しい道を耐えていると、ふと斜度が緩み辺り一面が平らになります。
横を見れば低い白樺の木々が揺れていて、まさに緑の草原の中を走るシチュエーション。
しかもその草原からは「ピヨピヨ…ピーチチチ…」と小鳥のさえずりが絶えず聞こえます。
これ、草陰でおっさんがテープレコーダーで流してないか?
と錯覚する程。まさに楽園。
しばらくボー・・・っとして、時間が経つのを忘れてしまいます。
平らな区間がしばらく続いた後はまた登りが現れます。
登りの度にT氏から悲痛な叫びが聞こえますが急がなくていいから!と極力脚を使わせないように注意します。
グワッと斜度が上がる坂を登りきると展望駐車場になっていたので休憩します。
T氏「あ!!!!!」
yaki「どうした?」
T氏「レーパンに穴が開いてる」
yaki「ちょwww」
穴は開いてるかもしれませんが、T氏はレーパンの下にタイツを履いているのでT氏のTポイントがこんにちわする事は、まぁないでしょう。と気にしない事にします。
しかし、展望台からの眺めはやはり最高。
少し曇ってきましたが、絶景に2人で「お~・・・」と思わず声が漏れます。
景色に見とれてしまいますが、まだ先は長くこの先どんな絶景があるんだろう。
と自然に先へ、もっと先へ行きたい。とクランクが回ります。
この位から雲が出始めて雲の中に突入する場面も。
しかし、この雲が天然のミストのようなもので日射しがあると暑いのですが雲の中に突入すると肌寒い位でとても気持ちいのです。
普段は寒いのかもしれませんが、今日のような日には心地よく感じます。
雲があると、景色が見えなくなって大抵ガッカリしてしまうのですが、この日はここまで強烈な日差しを受けていたので涼しいのは助かります。
また、スカッと晴れているのも綺麗ですが、雲がある絵もオツなもので、光と影が綺麗に草原に写ったり、自分の走っている道や草原を雲が横切るなんて景色も見られて、天空感を強く感じさせてくれます。
なんて綺麗事を言ってられない程、T氏が疲弊してきました。
道中の会話も
T氏「お~!!!すげ~!けどキッツ・・・」
T氏「めっちゃ綺麗!!!あ~。でももうだめだ・・・。」
と、絶景の回復効果が追い付かなくなってきてご覧の通り、M字開脚をする始末。
T氏「あ。空がめっちゃ近い。」
T氏がバテて寝転がっていたおかげで気付いたのですが雲がすごく近いのです。
よく、綺麗な空を見た時の表現なんかで使ったりもしますが、今回は本当に近い。
普段よりも標高が2000m近く上がっているので当然と言えば当然なのですが、入道雲をこんなに近くに感じたのは初めてかもしれません。
再スタートしてすぐに始まったのは尾根の道。
なんか石でできたパズーの家みたいのもあるし、森林限界の高原を走る一本の道がとても美しいです。
自分がそこにいる事も不思議に思える絶景に出会った時に私が思ったことは、
同じ尾根だけど尾根幹とはずいぶん違うな。←当たり前だ!一緒にすんな!
でした。
規制とかは置いといて、夜に星の写真を撮りに来てみたいな~と思わせるロケーションです。
絶景区間の後、T氏が最後の力を振り絞りながら到着したのは・・・
標高2,172mの日本国道最高地点!
しかし雲というか濃霧の中から突然出てきたこの有名な石碑ですが、ご覧の通り視界が悪すぎて2,172m感は全然ありません。
yaki「なんも見えねぇ~~www」
T氏「実感わかねぇ~~~www」
曇って石碑以外何も見えないので特にあそこから登ってきたぞ!という感動もないまま、お決まりの写真を撮ったら渋峠ホテルを目指します。
ちなみに気温は下界は猛暑日でしたが、雲の中で少し肌寒いくらいです。
周りではウィンドブレーカーを着ている人もいるので、下界がどんな天気でも山の上は何が起きるかわからないんだなと身を持って勉強になります。
日本国道最高地点からすぐに渋峠ホテルに到着。こちらでもお決まりの写真を撮って、とりあえず有名なワンコと戯れます。
ホテルの中の喫茶店でパンを食べたら楽しい楽しいダウンヒル♪
ここからは控えめに言っても95%位下りです。それくらい一気に上がってきたのです。
T氏がボロボロなので事故らないように、速度控えめ、手が疲れたら休むようにしてゆっくり下っていきます。
何時間もかけて登った道を一瞬で降りてしまうのはなんかもったいない気もしますがどんどん景色は流れて行きます。
渋峠を登って降りて感じた事はダウンヒルがめちゃくちゃ気持ちいい事です。
なんかそのまま空を飛んで行ってしまうようなそんな非日常なダウンヒルができます。
下りは下を向いている関係上、常に絶景を見ながらのダウンヒルとなり、渋峠の本質はダウンヒルにあると言っても良い位です。
そして森林限界ゾーンを過ぎると気温は上がり、木々は増え、段々と森も深くなっていき、現実へ戻っていきます。
途中で行きに寄ったまんじゅう屋で今度は本当におんせんまんじゅうを食べて、長い長いダウンヒルを終えて道の駅まで戻って来れました\(^o^)/
このまま、温泉入って帰ろうと思ったのですが、今日の本来のもう一つの目的地であった天空の湖「野反湖」です。
時間的にもT氏的にもいまからは無理なので、車でちょっと下見をしてみました。
【番外編】野反湖の下見
野反湖というのは「道の駅六合」からはまっすぐ北上すると辿り付ける湖です。
写真は曇っていてまったくわかりませんが、この湖は森林限界に位置しているので湖畔は高い木はなく、広く見渡せるまさに天空の湖なのです。
上には食事のできる場所と湖畔にはキャンプ場があります。
自分の理想とする湖畔のキャンプ場のイメージがまさにこことドンピシャで、近いうちに来てみたいと思いました。
車で走った感想は「道の駅六合」からは大体20km位のヒルクライムになり、野反湖までの道はかなりキツそうでした。
斜度も距離もあってたぶん渋峠よりキツいのでそれなりの覚悟が必要です(10%越えのウネウネがずっと先まで見えたり、曲がっても曲がっても斜度が落ちない風張林道のような心の折り方をしてくる道でした)。
良い点は、道が湖で行き止まりなので抜け道も無いため、交通量がめちゃくちゃ少ないです。
あと、最近新しくしたのでしょうか、道路が驚くほど綺麗です。
なので斜度や距離はともかく自転車にはとても走り安い道だと思います。
道の駅六合の温泉
野反湖の下見を終えたら、道の駅に戻ってきてお楽しみの温泉タイム。
もうこれが楽しみで後半頑張ったようなものです。
温泉は源泉かけ流しの「応徳温泉」といい、玄関には皇太子の写真が飾ってあり、なんでも登山の際に入浴・休憩に立ち寄られたとか。
温泉は一見、草津温泉のような青っぽい乳白色。草津と近いので泉質が似ているのでしょうか?
珍しいのは黒い湯の花が漂っていた事です。
温度は少し高めで疲れた体にとても心地よく効いてくれます。
また、地元の人に愛されているようで、おじいさんや小さな子供連れのおじさんが「こんにちわ~」と入ってきて子供を優しい目で見守りながら湯船の中で世間話をしていました。
我々以外は全員地元の知り合いのようで、挨拶がある温泉て素敵だな、と思いながらみなさんの会話の響く空気の中、肩まで浸かっているとふと幼い頃を思い出します。
数年前になくなった母親方の祖父に幼いころよく連れて行ってもらった新潟の新津温泉。
あの時もこんな感じで私の祖父は周りの人と私を見守りながら楽しそうに会話をしていました。
そんな事を思い出させられ何やら心身ともに、とても心地よい気分になりました。
ここは結構、穴場のようで終始空いていました。
宿泊もできるようで、リーズナブルなので草津の宿がいっぱいだったり、人混みから少し離れてゆっくりしたい時などにはいいと思います。
ちなみにこんな昭和感溢れる卓球台もあります。
まとめ
今回はあいにくの曇り空の渋峠ではありましたが、今まで私が走ってきた道の中では別格の気持ちよさでした。
T氏と、次は快晴の時に行きたいな~と話しているので、秋の紅葉シーズンにもう一回行くかもしれません。
注意点があるとしたら、道の駅六合から草津までのヒルクライムが結構キツかった事です。
ヒルクライムに自信が無い人や初心者連れの人は大人しく草津温泉街か天狗山駐車場を使う事をオススメします。
しかしながら、そのキツさがあってなお、それ以上の感動と興奮があったのも事実。
その証拠にボロボロだと普段は「しばらくいいや」と言うT氏が、秋頃にもう一度登りたいと言う位です。
どんなにキツくても「もう一回行きたい。」と言わせる、それだけの魅力がある、渋峠はまさに別世界の峠でした。
乗鞍と野反湖も近いうちに・・・。
帰りの車内
T氏「てかさ。」
yaki「む?」
T氏「フェラーリのグローブ、パチモンの気がしてきた。」
yaki「・・・」
T氏「使い心地、全然よくないんだよね。」
yaki(´-`).。oO(今更気付いたのか・・・)
みなさん、フェラーリのグローブはサイクルグローブとしては良くないらしいのでお気を付けを!
ちなみにこの後、恐ろしい程の渋滞にハマり、家の着いたのが深夜2:30。
この日3:00に起きていた私はほとんど24時間起きっぱなしという事態へ。
翌日に控えていた茶川探検隊(仮)のライドは無論、DNSとなったのであった。。。
コメント
はじめまして。かんなと申します。
渋峠の記事、楽しく読ませていただきました。六合からだと、草津までもそこそこの距離があったんじゃないでしょうか? 私も渋峠は2回ほど行ってますが、いつ行っても良い所ですよね。
更新を楽しみにして、また読みに伺いたいと思います。
P.S.
チェックしやすいように、僭越ながら当ブログの方へリンクを貼らせていただきました。問題があれば削除いたしますので言ってください。
かんなさん
はじめまして。コメントありがとうございます!
六合から草津までは10kmだったのですがずっと登りで予想外に大変でした(´Д`)
渋峠2回も行ってるのですね、羨ましいです。
私もT氏と次は紅葉の時期に来てみたいと話しております。
リンクや転載等、まったく気にしていないのでどうぞ~♪何していただいても結構です(*´∇`*)
ワシは六合から渋峠のスタートまでアウタートップ縛りで行ったよ(´>∀<`)ゝ
フェラーリの軍手素敵ですねポチリました( ー`дー´)キリッ
PS 千葉の筑波山だと:(っ`ω´c):
チコすけさん
アウタートップ縛りwww
さすがミスターストイック!完全に修行ですね(´ω`)
でも逆にそこまでいったなら最後までいけるはず!次回期待していますね(*´ω`*)
フェラーリポチったんですか!?
たぶん軍手の方が衝撃吸収性と丈夫さは上ですw
PS:千葉≒茨城(^ω^)
bike-life-japan.com Hi a fineoblation
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